観想力 著)三谷宏治
-「つまらない答えや仮説は聞き飽きた」真のブレークスルーにつながる発想法-
◇ものごとをいかに観るか、そのポイントが視点、高さが視座、見通し力が切り口、と言えるだろう。これらを、ものごとを正しく理解し見通す力として「観想力」と名づけよう。
◇常識的に見れば常識的な問題点や結論しか出てこない。
◇常識発想を破壊しなければならない、それなくして創造的戦略思考はない。
◇正しい視点、視点を誤れば全ての情報がムダになるどころか害となる。社長の高さと神の高さを持とう。
◇2×2マトリックスで最も重要な戦略要素を最大二つだけに絞込みその大小・強弱によって顧客を分類する。その4分類での戦い方はまったく異なる。その変数の取り方が「切り口」
◇大きく広くものごとを見て、本質を見抜き、発想をジャンプさせる。そこにブレイクスルーがある。
◇事前に多様性を生み出しておくこと、内包させておくことが企業にとっても「永続的成長」のための必勝法。
◇問題があり、その原因が分かり得たとしても、その直接的・根本的解決ができるとは限らない。事前の対策や準備が困難な場合には、即時の状況把握と迅速な事後対応で頑張るしかない。
◇まず人には統計的直感が無いことを明確に自覚しよう
◇人は長期的感覚にも欠けている
◇異常気象が本当に異常だったのかなんて、千年経たないとわからない。
◇過去に学ぶとき、必ずより過去まで遡ろう。予断を廃し客観的事実を見つめよう。
◇自らの数字的直観力の低さを自覚し、何が分かって何が分からないのかをハッキリさせる。まずは分かっているの思い込みから逃れよう。
◇ヒトは幸運な偶然を必然と感じ、好ましい一事例を典型的と思い込み、見やすい情報と第一印象にのみ基づいて意思決定する。
◇見たいように見る、聞きたいように聞く、考えたいように考えるのではなく、自らの常識を疑い、知識ベースを拡大し、バイアスを除き、新しい発想や他あだしい答えを得る努力をしよう。
◇「好き」で高確率で起こりやすく思える。「嫌い」で起こって欲しくないがゆえに低確率に見える。常に自問自答し「好き嫌い」になっていないか。
◇自らの知恵に縛られて呪いとなる場合もある。
◇今我々が為すべき最大のテーマは「次の強み」を作り出すことだ。未知の大市場に向かって、そこでの武器を創り出すことだ。それは単なる「強み弱み分析」からは出てこない、困難に立ち向かう将来戦略だ。
◇敵や顧客や技術の進化をものすごく気にしながら、その進化の本質を見極めながら、しかし、他社とは違うことををする独創性と勇気が求められる。
◇様々な極限的状況を一生懸命にこなしたことで、狭い世界での常識を否定できる「大きな世界観」を持ちえる。
◇いくら営業力があろうと歴史や実力があろうと関係ない。カテゴリートップのブランドだけが危機を救いうる。
◇クープマン目標値
◇ニッチは敵が本気になりにくい小さな市場で、その中で経済性が完結し、他の市場からの影響がうけにくいこと。
◇市場での成功、そこには成功の定義や市場の定義と言った、隠れた大きな問いが潜んでいる。それらを良く見つめることこそ、常識の転換、正しい視点があらわれる。
◇視点は考え方の始点だ、正しい視点なくして正しい答えには決して辿り着かない。辿り着けたとしても非常なロス(労力のムダ)と傷(自己否定の苦しみ)を負うことになる。
◇常識的な考えや事象「問い」に遭遇したときに「あれ?おかしい」「なんか気持ち悪いな」と思えるかどうかが勝負。
◇勝負の「土俵」を己の有利なように変える。敵との差別化を超え真の商品高付加価値化を図る。
◇昨今、ヒトの気持ちや企業の能力が強調されるが、その前に、組織も経営者も同じとして、それでも差がつきうるメカニズムや状況がないかを考え抜くことも重要だ。
◇経営者自身が理解し、決断し、それをヒトに伝えられる、おそらく唯一の意思決定ツール、それが2×2マトリックスだ。
◇発想のジャンプを本当に望むなら、まずは紙と鉛筆が未だに最高のツールだ。そして大きな大きな「田」の字を描く、まるで呪文のように。
◇大局を見、大局にとらわれず、筋を読み、読みに頼らず。