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2006年04月19日

低カロリーメニュー誕生

『肉抜きで…』低カロリーメニュー誕生
キッチンの山岸は悩んでいた。二〇〇六年一月、一周年を迎えた沖縄食堂島菜は全メニューで化学調味料や着色料を使用することをやめた。お客様からのアンケートには、多くの賛同の声・激励の声を頂戴し、ほとんどのスタッフは満足していた時であった。お客様の中で「肉抜きで…」と注文する方が2~3日に一人いるのである。管理栄養士でもある山岸は、これまでバランスのよい美味しいメニュー作りを進めてきた。肉抜きでと注文するお客さんが、ベジタリアンなのか?ただの肉嫌いなのか?まさか、お肉の味に何か問題があるのではないか?と山岸は悩んでいたのであった。

『圧倒的に女性』
 その悩みを解決するヒントはお客様からのアンケートの中にあった。直接的なお肉に対するものはほとんどなかったが、「量が多い」というものが複数見つかった。その声が圧倒的に女性からのものであることを知った山岸は、ホールスタッフに尋ねた。予想通り、「肉抜きで」と注文するお客様もほとんどが女性のお客様であった。そして山岸は、再度アンケートを読み返した。「島菜の料理は女性には量が多い」という声ももちろんあったが、カロリーを気にしているという声が多数を占めた。山岸は「肉抜きで」という注文もカロリーを気にしてのことと確信した。

『ダイエット』
カロリーを気にするのは女性が多い。世間で流行る様々なダイエットもほとんどは女性がターゲットである。そこで、山岸は自らのつらい経験を思い出していた…。学生の頃の失敗したダイエットのことである。とある理由で始めたダイエットは単純に「食べない」というものであったが、成長期のダイエットは大きな危険が伴う。山岸の場合は、度を越して痩せすぎてしまい、拒食症になり、病院で点滴の日々を過ごした。そして大きなリバウンドがあり、今度は過食症になってしまった。現在はその過去を全く感じさせないスタイルの山岸であるが、本人にとっては辛い思い出を笑顔で語った。その経験が山岸を栄養士の道へと進ませたからの笑顔だった。

『メニュー開発』
山岸の「ヘルシー」をテーマとした新しいメニューの開発が始まった。お客様のニーズに答え、カロリーを減らすメニュー作りに取り組んだ。しかし島菜のメニューは野菜中心でバランスの取れた健康的な低カロリーである。始めから高カロリーな揚げ物などはもちろんない。そこで、調理油やご飯、そしてイメージ以上にカロリーのある島豆腐の量を減らし、そしてお肉を抜いた。カロリーは落とすことは、簡単ではなかったが管理栄養士の山岸にとっては、それほどの難問ではなかった。しかし山岸は悩んだ。美味しく食べることが出来なくては島菜の料理ではない。そして味の調整を何度も繰り返した。出来上がった料理は上々のできであった。

『カロリーは悪なのか?』
これなら島菜で提供できる味と確信したが、山岸の心の奥にはまだ、わだかまりが残っていた。ダイエットをしていた頃の山岸なら、「カロリーは悪」という観念でもっと簡単にメニュー開発ができていたはずであった。しかし今は違った。しっかり食べるという重要性を自分の経験で痛いほど知っていたのであった。そして山岸は完成したメニューに野菜の量を出来る限り増やすことにした。増やすだけではいけないことはもちろん知っていた。味の調整を一からやり直した。それは山岸の意地であった。

『ヘルシーの意味』
 そして再度、メニューが完成した。そして山岸はある提案を行い、周りを驚かせた。それはメニューから「ヘルシー」という言葉をのぞくというものであった。山岸は「カロリーを減らすこと」は「ヘルシー・健康」とイコールではないと熱く語った。「低カロリーだけがヘルシーではない。お客様は様々で、中には高カロリーの食事が必要な人もいる。選択はお客様にしてもらうべきである。」という説明を付け加えた。メニューの表記を「ヘルシー」から「低カロリー」にし、全てのメニューにカロリー表示をするという山岸の提案を否定するものはいなかった。

『ある不安』
 「お客さんの半分は男性。ボリュームいっぱいの食堂のイメージに反することが受け入れられるか?今まで以上に手間ひまがかかる調理となり、スムーズに料理が提供できるか?という点が不安でした。」と開発初期の不安な心情を山岸は語ってくれた。前者は男性のお客様の「もったいないから量を減らして欲しい」というアンケートで確信を得、後者は店長をはじめ、周りのスタッフの強い協力により勇気を得ることによって乗り切った。お客様の声のありがたみとチームワークの大切さを改めて感じる一瞬であった。

『更なる開発』
 低カロリーメニューが無事に開発され、お客様に提供され始めた。女性はもちろん、男性からも好評である。しかし山岸の足は止まっていない。今回の低カロリーメニューの開発で大きなヒントがあった。「低カロリーだけがヘルシーではない」という言葉の意味は、他にもヘルシーメニューの開発は可能であるということである。山岸は既に歩み始めていた。沖縄食堂 島菜のメニューに注目してもらいたい。



Posted by 茶花スタッフ at 09:36│Comments(2)
この記事へのコメント

昨日からダイエット始めた私は
早速今日「島菜食堂」さんにお世話になりましたよ~。
野菜炒めをいただきました。
ボリューム満点のお食事に大満足です。

これからちょくちょくお世話になると思います。

ちなみに野菜炒めの味付けってどうしてるんですか?
家で作るとどうしても化学調味料を使ってしまいます。
あの味を家で再現する方法を、企業秘密でなければ是非教えてください♪
Posted by mayu at 2006年04月21日 00:41

こんにちは、mayuさん。

ご返事遅れました。

秘密はですねぇ~。

「粉だし」&「だし醤油」です。
かつお節などを細かく粉状にしたのが「粉だし」
醤油を鍋にかけ沸騰させてかつお節を入れて
ダシをとり濾したのが「だし醤油」です。

かつお節以外を使ってもできます。
ネット検索するといろいろなやり方が載っていますので、
研究してみてください。本もあります。

また、よろしくお願いしま~す。
Posted by 安和朝彦 at 2006年04月26日 09:29
 
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