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2006年05月23日

砂漠 著)伊坂幸太郎

砂漠 著)伊坂幸太郎麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。その中で異色なキャラクターとして光っているのが西嶋。本気で世界で起こる戦争を憂いながら、「今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ。」と、目の前の危機に本気で向っていく姿が、こっけいですがカッコいいです。なにか懐かしさ、切なさを感じる青春小説です。現在、著者の「陽気なギャングが地球を回す」が鈴木京香、佐藤浩市らのキャストで全国ロードショー中(沖縄は未上映)です。


その他、小説中で、スゴクいい場面があたので、紹介。

怪しいチャリティーに対して、
「寄付しても、正しい目的に使われているか分らない」
「偽善者っぽくて嫌」
「小銭入れたって何の足しにもならない」
「一つの団体に寄付したら他の団体にも・・・」
「自己満足っぽい」

との会話を交わしている時に、西嶋が叫ぶ。

「そうやって、賢いフリをしてね。得する人間なんていないんですよ。この国の大半の人間たちはね、馬鹿を見ることを恐れて、何もしないじゃないですか。馬鹿を見ることを死ぬほど恐れている、馬鹿ばかりですよ。」



Posted by 茶花スタッフ at 18:19│Comments(0)
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伊坂幸太郎「砂漠」(実業之日本社)【本の虫】at 2006年06月15日 21:12
 
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